商業施設で回遊型パフォーマンスを入れるときの考え方|ステージ外にも接点を作るには

商業施設でファミリーイベントを企画するとき、

「ステージショーだけで十分だろうか?」
「館内を歩いている家族にもイベントを知ってもらいたい」
「ショーの時間以外にも楽しめる企画を作りたい」

と考えることがあります。

商業施設では、すべての来場者がイベントスペースを目的に来館するわけではありません。

買い物をしている家族、食事へ向かう家族、別の店舗を見ている家族など、館内ではさまざまな人が動いています。

そこで考えられるのが、固定されたステージだけでなく、館内やイベント周辺で来場者と短く接点を作る回遊型パフォーマンスです。

この記事では、商業施設で回遊型パフォーマンスを取り入れるときの考え方を整理します。

目次

商業施設では全員がステージ前に集まるとは限らない

商業施設のイベントでは、ステージショーを開催していても、すべての家族がその場所まで来るとは限りません。

たとえば、

・買い物を続けている
・別の階にいる
・食事中である
・イベントの存在をまだ知らない
・短時間だけ施設へ立ち寄っている

といった来場者もいます。

つまり、ステージイベントを用意しただけでは、施設内にいるすべての家族と接点を持てるわけではありません。

そこで、ステージとは別に館内を移動しながらパフォーマンスを行うことで、イベント会場まで来ていない家族にもイベントとの接点を作ることができます。

回遊型パフォーマンスとは何をするもの?

回遊型パフォーマンスは、固定されたステージだけで演じるのではなく、来場者がいる場所へ移動しながら短いパフォーマンスを見せる形式です。

内容によっては、

・通路付近で短く見せる
・休憩スペース周辺で披露する
・イベントエリア周辺を回る
・少人数の家族へ近い距離で見せる

といった形が考えられます。

ステージのように「開始時間に客席へ集まる」参加方法とは違い、来場者のほうが移動している場所にパフォーマンスが現れるのが大きな特徴です。

回遊型の良さは「偶然出会えること」

回遊型パフォーマンスの特徴の一つは、イベントを目的にしていなかった家族でも出会えることです。

買い物中に、

「何かやっている」
「子どもが立ち止まった」
「少し見てみよう」

という流れが生まれることがあります。

商業施設では、このような偶然の接点が重要です。

ステージショーは「見に行く」企画ですが、回遊型パフォーマンスは**「歩いていたら出会う」企画**として考えることができます。

ステージショーとは役割が違う

回遊型パフォーマンスを入れるからといって、ステージが不要になるわけではありません。

それぞれに違う役割があります。

ステージショーは、

・ある時間に人を集める
・大人数で同じ体験を共有する
・イベントの山場を作る

ことに向いています。

一方、回遊型パフォーマンスは、

・館内を歩く来場者と接点を作る
・少人数でも楽しませやすい
・ショー以外の時間にもイベント感を出す

ことに向いています。

そのため、ステージと回遊を競合する企画ではなく、役割の違う企画として組み合わせる考え方があります。

ステージ前後の時間をつなぐ使い方もできる

複数回のステージショーを行う場合、公演と公演の間には時間があります。

その時間にイベントスペースが静かになると、

「イベントは終わったのかな?」

と感じる来場者もいるかもしれません。

回遊型パフォーマンスを入れることで、ステージが動いていない時間にもイベントの存在を感じてもらいやすくなります。

たとえば、

「ステージショー」
↓
「館内で回遊」
↓
「次のステージショー」

という流れです。

これにより、イベントを一つの公演だけで終わらせず、会場全体で続いている体験として見せやすくなります。

回遊は「集客」だけを目的にしない

回遊型パフォーマンスを、

「人をステージへ連れてくるためだけのもの」

として考える必要はありません。

もちろん、回遊中にイベントの存在を知ってもらい、次のステージを見てもらう流れは考えられます。

しかし、それだけでなく、

・その場で短く楽しんでもらう
・買い物途中の思い出を作る
・子どもがイベントと接点を持つ
・施設全体にイベントらしい雰囲気を広げる

といった役割もあります。

ステージまで来てもらえなかったとしても、その場で楽しんでもらえれば、回遊型パフォーマンスとして意味があります。

来場者の流れを止めすぎないことが重要

商業施設で回遊型パフォーマンスを行うときは、盛り上がりだけでなく人の流れも考える必要があります。

パフォーマンスが始まると、人が自然に立ち止まります。

その結果、

・通路が狭くなる
・店舗入口をふさぐ
・エスカレーター周辺に人が集まる
・一般来館者が通りにくくなる

可能性があります。

そのため、回遊する場所は、

・人が立ち止まっても通路を確保できるか
・店舗営業の妨げにならないか
・安全に見られるスペースがあるか

を確認しておくことが大切です。

盛り上がる場所と、止まってはいけない場所を分けて考える必要があります。

「歩きながら演じ続ける」必要はない

回遊型という言葉から、館内をずっと歩きながら演じるイメージを持つことがあります。

しかし、実際には、

「移動する」
↓
「安全に立ち止まれる場所で短く演じる」
↓
「次の場所へ移動する」

という形のほうが取り入れやすい場合があります。

特に親子向けでは、子どもがパフォーマンスへ近づいてくることもあります。

移動し続けながら演じるより、ある程度場所を決めて短時間のパフォーマンスを行うほうが、周囲の状況を確認しやすくなります。

子どもが集まりすぎたときのことも考える

回遊中に子どもが集まり始めると、最初は数人だった観客が徐々に増えることがあります。

そのため、

・どの程度集まったら次の場所へ移動するか
・大きな輪ができても問題ない場所か
・子どもが通路へ広がらないか
・保護者が近くで見守れるか

といったことを考えておくと安心です。

回遊型パフォーマンスは観客席が決まっていないからこそ、その場でできる観覧スペースを意識する必要があります。

小さな子どもとの距離にも注意する

ファミリーイベントでは、小さな子どもがパフォーマーへ近づくことがあります。

興味を持って前へ出てきたり、道具に触れようとしたりすることもあります。

そのため、

・道具を広げすぎない
・通路へ物を置きすぎない
・周囲の子どもの位置を確認する
・保護者が見守れる距離で行う

ことも大切です。

回遊型は距離が近いことが魅力ですが、距離が近いからこそ安全面を丁寧に考える必要があります。

音量はステージとは別に考える

ステージショーでは音響設備を使用する場合がありますが、回遊型では同じ音量が適しているとは限りません。

館内には、

・買い物をしている人
・店舗スタッフ
・休憩している人
・ほかのイベント参加者

もいます。

そのため、回遊型では必要以上に大きな音を出さず、近い距離で楽しめる演出のほうが相性がよい場合があります。

館内放送や店舗営業とのバランスも含めて考えることが重要です。

どこまで回るかを事前に決めておく

「館内を自由に回ってください」とするより、あらかじめ回遊範囲を決めておいたほうが運営しやすくなります。

たとえば、

・イベントスペース周辺
・同じフロア内
・休憩スペース付近
・特定の通路まで

などです。

回遊範囲を決めることで、

・スタッフが現在地を把握しやすい
・店舗への影響を調整しやすい
・次のステージへ戻る時間を管理しやすい

というメリットがあります。

イベント担当者と出演者の間で、「どこなら実施可能か」を事前に共有しておくと進行しやすくなります。

ステージへ誘導する場合も押しつけすぎない

回遊中に次のステージショーを案内することもできます。

ただし、

「必ずステージへ来てもらう」

ことを目的にしすぎると、買い物を楽しんでいる来場者には負担になる場合があります。

「このあとステージもあります」
「興味があれば見てください」

という程度に自然な案内にすると、来場者自身が参加を選びやすくなります。

商業施設では、イベントだけでなく買い物や食事も大切な来館目的です。

来場者の行動を邪魔せず、選択肢を増やすことを意識するとよいでしょう。

体験ブースとの組み合わせも考えられる

回遊型パフォーマンスは、ステージだけでなく体験ブースとも組み合わせることができます。

たとえば、

・回遊中にイベントを知る
・体験ブースへ立ち寄る
・その後ステージを見る

という流れです。

また、

・ステージを見る
・買い物へ戻る
・館内で回遊パフォーマンスに再び出会う

という参加方法もあります。

このように、ショー、回遊、体験ブースをそれぞれ別の企画としてではなく、来場者が何度かイベントと接点を持つ仕組みとして考えることができます。

回遊型パフォーマンスが向いているイベント

回遊型は、特に次のような条件で検討しやすいでしょう。

・来場者が館内のさまざまな場所にいる
・滞在時間が家族ごとに違う
・ステージの時間以外にもイベント感を出したい
・イベントスペース以外にも接点を作りたい
・短時間のパフォーマンスを複数の場所で見せたい

一方で、通路が狭い会場や、人が立ち止まれる場所がほとんどない施設では慎重な判断が必要です。

「回遊型をやりたい」から始めるのではなく、会場内に安全に立ち止まれる場所があるかを先に確認することが大切です。

商業施設では「ステージの外」までイベントとして考える

商業施設のファミリーイベントでは、ステージ前にいる人だけが来場者ではありません。

買い物をしている家族。

通路を歩いている家族。

休憩している家族。

別の目的で施設を訪れている家族。

こうした人たちにもイベントとの接点を作れるのが、回遊型パフォーマンスの特徴です。

ステージで大勢が一緒に楽しむ時間と、館内で偶然出会う短い体験。

この二つを組み合わせることで、イベントスペースだけでなく、商業施設全体へファミリーイベントの体験を広げることができます。

回遊型パフォーマンスを企画するときは、

「どこを回るか」
「何を見せるか」

だけではなく、

来場者の動きを邪魔せず、どこで自然な接点を作れるか

という視点から考えてみてください。

この記事を書いた人

TOMOのアバター TOMO キッズパフォーマー

全国の幼稚園や保育園で、お子様向けのマジック・シャボン玉ショーをしている、キッズパフォーマーのTOMO(トモ)です!

私は、もともと看護師をしており、ガン病棟で働いていました。そこには、自分の意志で身体を動かすことができない子も多く、病気と闘う子どもたちを笑顔にしたいという想いでマジックを練習するようになり、気づけばキッズパフォーマーとして全国を渡り歩くようになりました。

目次